我が社の戦略


ここに記する内容は1998年5月8日(金)発行の『日刊工業新聞』に掲載された記事の抜粋です。


 「今や限られた地球資源を無駄遣いする時代ではない」としたうえで、

「貴重な資源をいかに長く最後まで活用できるかが問われている」と持論を淡々と語る。
 同社の主力製品は、錆面活用型重防食プライマー(下塗り錆転換剤)「サビロック」。

多種多様な既設の鉄構造物の長寿命化に貢献。鉄が錆びることによって被る損失は「日本だけ
でも国民総生産(GNP)の2〜3%」との専門家の試算がある。
ちなみに現在の日本のGNPは、 約500兆円だ。

 限られた資源の中で既設の海洋構造物、船舶、橋りょう、鉄塔、各種工場プラント類、下水
処理場などを出来るだけ長持ちさせることが緊急課題となっている。

 錆面塗料として「サビロック」の優秀さが遺憾なく発揮されたのは今から10年前に行われた
広島原爆ドームの改修工事に採用されたときだ。

当時、広島大学では原爆ドームの腐食鉄筋の更正のため、様々なメーカーから数十種類に及ぶ
錆面塗料材を取り寄せ、テストを繰り返した。

 他社製品は完全な錆落としなどの下地処理を行ってから塗布するものがほとんどであった。
しかし、同社の「錆を不活性化し、安定的な錆に転換固定」するという従来にない、画期的な
特質が注目された。

 錆の中の凝縮水分や金属イオンなどの腐食性因子と反応、封鎖(ロック)し、安定した錆に
転換、強靱な固定層を形成する。

 「原爆ドームの現状を出来るだけ維持しながら永久保存を考えた改修」という技術的難題に
答えられる唯一のものとして評価が下った。「(採用に向け)特別な売り込みはしなかった」という。


 「サビロック」独自の特徴として

    @旧塗膜にも塗布可能
    A油面、湿潤面など悪素地面にも適用
    B優れた耐薬品性・耐塩水性・耐熱性

 などがある。
 イニシャルコストは高いものの、耐用年数が長いためメンテナンス費用が安い。
トータルで経済的に寄与するところは甚大だ。

 サビロック工法として実績が出始めてからもうすぐ20年に手が届こうとしている。
 各メーカーとも同社製品に準じた品揃えを図ってきている。「一度、他社のものに浮気するところは多いが、
すぐに当社のものに戻ってくる」(同)と意に介さない。



記者の目
 資源保護に寄与している錆面活用型防食プライマーの開発に当たって「技術最優先にに徹した」と言い切る。
 長年にわたる数多くの施行実績が、同社独自の防食システムの信頼性の高さを何より物語っている。
 
                                 (日刊工業新聞社 中央支局長・杉橋伸氏)